未来建設・コーチ 村岡誉久吏(つくり)です。
コミュニケーションを取る、人と関わっていく中で、多くの人は、
自分以外の誰かを自分の思い通りに動かしたいと考えている。
自分の言ったことを理解してくれない、言ったことをやってくれない、会話が続かず沈黙が続くと落ち着かない。
コミュニケーションがうまくいっていると感じるときには、気づかないことも、初対面の人や苦手意識を持っている人を目の前にした途端、気づくことがある。
コミュニケーションスキルを磨くことで、自分にも大きな気づきや見返りが返ってくると思うことで、いままでとは違う視点で、相手との会話を進めていくことができるのです。
「非言語コミュニケーション」と「傾聴」で相手の言葉以外の声を聴く、相手を観察するコーチングスキル
コーチングにおいて、スキルとして知られている多くは、「傾聴」だと思います。
「傾聴」の「聴」という字に見られるように、コーチングでは、相手の話を目と耳と心で聴くと言います。
相手の話を聴こうとするとき、どうしても耳から聞こえてくる、相手の声として発せられる言葉だけを聴いてしまいますが、コーチングでは、相手が声に出していない言葉、感情を、相手の表情、声のトーン、しぐさなどを観察しながら、話を聴いていきます。
その時に役立つスキルが「非言語コミュニケーション」です。
「非言語コミュニケーション」 で感じる相手の印象
非言語と言われても、ピンと来ないかもしれません。
私も、初めてこの言葉を聞いた時には、すぐにはイメージが湧きませんでした。
「非言語コミュニケーション」とは、相手の表情、態度から、感じ取るコミュニケーションです。
例えば、上司や先輩から、問題が起こった説明をするとき、ミスを指摘されるときなどを想像してみましょう。
相手の表情がこわばったり、無表情だったり、怒っていると感じるときには、相手が怒っていると言葉で言わなくても、態度や声のトーン、表情から、相手が怒っていると感じます。
すると、普段通り接することができず、こちらも委縮してしまったり、普段よりも声が小さくなったり、表情も硬くなります。
反対に、上司や先輩に誉められるとき、仕事がうまく進んでいる報告をするときは、お互いが笑顔で、気持ちも、その場の雰囲気も明るく、前向きで、楽しく感じます。
人は、第一印象で決まると言われている1つの理由は、初対面のとき、人とコミュニケーションを取るときの表情、声のトーン、態度だけでも、相手に与える印象が大きく変わるのです。
メラビアンの法則 「言語情報7%」「聴覚情報38%」「視覚情報55%」でわかる非言語コミュニケーションの重要性
ビジネスシーンで、しばしば耳にする言葉に「メラビアンの法則」というものがあります。
コミュニケーションスキルの向上に役立つと言われていますが、どのような法則なのか、
実は、詳しく知らないという人も多い。
そして、メラビアンの法則は誤解されている点も多いのです。
メラビアンの法則とは、
人と人がコミュニケーションを図る際、「言語情報7%」「聴覚情報38%」「視覚情報55%」という割合で影響を与えていることを示した、心理学上の法則のことです。
アメリカの心理学者であるアルバート・メラビアンによって提唱され、別名「3Vの法則」や
「7-38-55ルール」などとも呼ばれている。
コミュニケーションをとる際、話の内容が重要だと思いがちです。
メラビアンの実験によると、実際は、言語情報はわずか7%しか優先されていないことがわかりました。
もちろん、話の内容を正しく理解する、相手に伝えるために、言葉そのものが持つ意味は重要です。
ですが、実際には聴覚と視覚から得る情報が93%優先される結果から、言葉よりも「イメージ」が
影響する可能性が、非常に高いことを示しているのです。
メラビアンの実験から、言葉と口調・表情などが一致していない場合、人は表情やパフォーマンスを
優先して判断する傾向が強いといえます。
私たちは、無意識のうちに、非言語コミュニケーションを重視しているともいえます。
メラビアンの法則3つの要素とは
メラビアンの法則に欠かせない要素として「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」という3つがあります。
言語情報
言語から得られる情報は、話の内容や、言葉そのものもが持つ意味などがあります。
例えば、メールやSNSなどを使って、相手とコミュニケーションをとる場合は、基本的に文字しか存在しません。
メールやSNSですと、事実を明確に相手に伝えることができますが、声や、表情など非言語コミュニケーションが存在しないため、本心や含みを持たせたい話などは、うまく伝わらない場合も多い。
聴覚情報
聴覚から得られる情報は、声の大きさやトーン、速さや口調などがあります。
話の内容はさておき、怒ったような話し方なのか、明るく笑顔で話しているのかといった、
相手の感情を読み取りやすくなります。
顔の見えない電話などは、基本的に聴覚情報から多くの情報を得るようになります。
この時には、相手の雰囲気、空気で感じる場の空気というものも、含まれます。
視覚情報
視覚から得られる情報は、相手の表情やジェスチャー、仕草、視線といった相手の動きで感じることができます。
これらは、言葉ではうまく表現できない、どう表現したらいいのかわからないとき感情や、考えなどを伝えるのにも効果的です。
メラビアンの法則によると、視覚情報が影響する割合は非常に大きく、
例えば、楽しいと口にしていながらも、相手がつまらなそうな表情をしたり、笑っていなければ、
こちらは、相手はつまらないんだ、と判断する可能性が高いのです。
視覚的効果がよければ全てうまくいくと誤解されがちな「メラビアンの法則」
コミュニケーションをとるとき、非言語コミュニケーションは、非常に大きな役割をします。
ただし、メラビアンの法則は「非言語コミュニケーションが何より大切」と、決めつけ、結論つけているわけではないので、注意が必要なのです。
非言語コミュニケーションが、優先される割合が93%という実験結果だけを覚えていて、
言語コミュニケーションを軽視し「話の内容よりも第一印象(多くの場合は外見)を重視すべき」と、誤解している人も多いのです。
メラビアンの法則は、言語・聴覚・視覚において、それぞれ矛盾した情報を得たとき、どの情報が優先されるかを調べた、実験結果です。
メラビアンの法則は、単純なコミュニケーションについて、限定された特殊な環境下で、実験した結果に過ぎないのです。
日常のすべてのシーンや状況、相手に、メラビアンの法則が、そのまま当てはまるわけではないことを覚えておきましょうす。
実際、日常でのコミュニケーションは、シンプルな言葉や表情だけでなく、もっと長く複雑な言葉や、ボディランゲージなどを組み合わせてコミュニケーションが行われています。
そして、得られる情報量も多く、それらを複合的に利用したり、判断する必要があります。
そのため、日常的なコミュニケーションに「言語情報7%」「聴覚情報38%」「視覚情報55%」という割合が、必ずしも、当てはまるわけではないことを、知っておいてください。
メラビアンの法則は、拡大解釈されることも多く、第一印象だけに気を配り、相手の話の内容や、相手そのものを無視するようなことがあっては、うまくいくはずのコミュニケーションも、いずれ亀裂が入ったり、大きな溝になる場合もあります。
非言語コミュニケーションと同様に、言葉でのコミュニケーションも、両方ともが、コミュニケーションには、重要なのだということを、心に留め置きながら、ビジネスに役立てていくといいでしょう。
コミュニケーションスキルを磨く方法
では、日常のご自分のコミュニケーションスキルは、どのようなものか?少し思い出してみましょう。
無意識のうちに、非言語コミュニケーションをとっている中で、相手に与えている印象はどうでしょうか?
初対面の人に会った時、声のトーンは、相手に聴こえる適度なトーンで、ハッキリを話すことができていますか?
友人や同僚など、ちょっと気持ちを許せる相手とのコミュニケーションで、ポジティブな話しをしていますか?
相手の話を、遮らず、相手に意識を向けて話を聴くことができていますか?
自分の話ばかりをして、相手の表情や態度などを無視していることはありませんか?
話す会話の内容は、お互いが楽しめるような、時間を共有できるような内容でしょうか?
相手が話しているのに、自分の話をしたくて、途中から自分の話題に話をすり替えたりしていませんか?
相手とコミュニケーションを取ることで、自分の成長、進化に繋がることを発見できていますか?
相手とコミュニケーションを取ることで、相手に影響を与えることができているでしょうか?
普段、何気なく話している内容でも、意識を向けていくだけで、使う言葉も、態度も、表情も変わっていきます。
私も、以前はいつも眉間にシワを寄せてばかり、声を荒げ、大きな声で話したり、ちょっと気に入らないと思う人には、非言語コミュニケーションで威圧感を与えていました。
その当時は、それでもよかったのです。
ですが、非言語コミュニケーションを意識してみると、自分が、相手に対して怖い、何この人?と違和感を感じたときに、私自身も、同じようなことをやっているのかもしれない、いや、やっているから気になるのだ。
と、気づくようになりました。
どうしても、違和感を感じながらも、コミュニケーションをとらなければいけない時は、顔は笑顔で、心の中で違和感を感じて、表情や態度に出さないようにしてみるのも、1つの方法です。
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