コーチングスキルはおよそ200以上あると言われていますが、その中でも厳選された6つのスキルというものがあります。
その6つのスキルの中の相手を認める「承認」についてみていきましょう。
コーチングスキル「承認」とは
「承認」とは、相手を認めることです。
「承認」するという言葉は、普段もよく使われますが、書類や会議の内容、仕事の契約内容を認め、印鑑を押すことと捉えられていることが多いかもしれません。
しかし、コーチングスキルの「承認」とは、相手を認めることとありますが、それだけではありません。
コーチングスキルの「承認」とは、事実に基づいて相手の言ったことを認識して受け止めること。
それには、心からの相槌や、想いを受け入れる、力づけるなどといったことも含まれていることをご存知でしょうか。
相手の存在そのものを認めることを、コーチングスキルでは「承認」と呼んでいます。
コーチングスキルで使う「承認」は、相手が言ったことを良いと評価したり、単純に褒めたりするということではありません。
相手も自分も認められたと思うときは?
では、相手を認める、自分が認められたと思うときは?
どういった時に自分が承認をされていると感じるのでしょうか?
例えば、夫に話を聴いてもらい、冷静にフィードバックをされたり、自分の考えや意見を否定せず、話を聞いてもらえた時は、自分のことを承認してくれたと感じる人も多いようです。
また、自分の話を聞いて、良い悪いの評価をしない、されないと感じた時にも、自分のことを承認してもらえたと思う人もいます。
さらに、ただただ話を聞いてくれる、自分の言葉をそのまま受け止めてくれる、相手の主観を入れずにフィードバックをしてくれると感じた時も、自分のことを承認されたと感じる人もいるようです。
パソコンをしながら答えるのも「承認」なのか?
一番わかりやすい例えでは、挨拶があります。
普段、誰かに挨拶をする時、目を見てその人の顔を見て、その人の方向を向いて挨拶をしているでしょうか?
このような挨拶をしている人を見ることも、減ってきています。
”おはよう”という一言でも、相手の方を向き、相手の顔・目を見て、”おはよう”と答えるだけでも、その人がその場所にいるということを、認めていることになるので、相手を「承認」しているといっていいでしょう。
では、仕事中、「この部分がわからないので教えてください」と後輩が言ってきた時、パソコンの画面を見ながら、相手の顔を見ず、相手の方を向かず、ただただ言葉だけで返していると、実際は話も半分で聴いているということもあり、相手からは、自分のことに親身になってもらえていないと、感じることもあるかもしれません。
「承認」されたと感じる行動や言葉とは?
さらに、認められたと思う行動や、言葉というのはどういったものでしょうか?
行動ならば、先ほどの自分の方を向いてくれている、相手の方を向いた時、というのはお互いにその場所にいる、お互いで話しているということ、を感じることができるので、「承認」されている、していることになります。
では、言葉では
心からの相槌と、先ほどありましたが、その心からの相槌とはどういったものなのでしょう?
例えば、なるほど、そうだよね、そうなんだ、
と自分の方を向いて、言葉と共に大きく頷いたり、笑顔で聞いてくれたり、前のめりになって聞いてもらったら、自分のことを「承認」してくれていると感じるでしょう。
「承認」の一番の肝は「事実」
承認されることには、事実を認めるということが、重要になりますが、それ以外にもこのようなことがあります。
人はどこかで誰かに褒められたい、そのような気持ちを持っているものです。
では、褒められる時、どのような言葉なら、自分を認めてもらって、褒められたと感じるのでしょうか?
例えば、自分が失敗した時、どのような言葉ならば自分をそのまま受け止めてもらえてるか?
あなたならできるとか、すごかったね、よくできたね、今回は残念だったけど次にまた一緒に頑張ろう、などと言われると勇気や、やる気が湧いてきますね。
ただ、ここに相手の主観が加わると、言葉や動作は全く別のものになってきます。
ある人が、「わたしは屁理屈なんだー」と言った時、
自分の主観が入ると、「そんなことないよー屁理屈っていうか、なんだかめんどくさい人だよね」とか、「なんかいちいち細かいことにこだわりすぎだよね」というような言葉を向けられると、屁理屈ではないと言ってくれている、でも、その反面、自分のことを否定されていると思ってしまうことがあります。
「承認」のスキルを使って答えると
「そうなんだね屁理屈だと感じているんだね」と、ただただ
相手の言った言葉をそのまま受け取ることができます。
まとめ
承認とは自分の主観を入れずに、ただただ相手の言葉、相手の態度、相手の感情を、そのまま受け止める、受け入れることです。
いま目の前にあること、いま目の前で起こっていることをそのまま事実として受け止めることです。
言葉や文字で表すと、とても簡単なように見えますが、実際の行動として思考として行なっていくのはなかなか難しいのかもしれません。
人間関係のトラブルや、仕事のトラブルといったものを含め、様々な悩みや問題というのは、実はこの事実を見ていないことから起こることが多いのです。
事実を見ているつもりが、実は、全てに主観が入ってしまうことで、とてもシンプルなはずの問題も、主観が加わることで大きな問題にすり替わってしまうことがあることを知っておくといいと思います。
事実を認める、相手を認めるといったことを、少し意識してコミュニケーションをとっていくのもいいかもしれません。
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